鹿庭 敬太さん
2010年度卒業

授業で印象に残っているのは、「日本人であることを証明せよ」という問い

大学時代を振り返って
私は国際文化交流学科の第1期生として入学しました。 私たち次第でこの学科の将来が決まるともあり、様々な挑戦をさせていただきました。

その中で、国際文化交流学科祭の企画に携わらせていただきました。
第1回はすべてが手探りの中、たくさんの人たちの協力を得て、ゲストの出演交渉や会場、ケータリングの発注等をし、パーティーを開きました。
直前まであっちこっち走り回り、当日も様々トラブルもありましたが、皆さんにとても喜んでいただき、非常に嬉しかったです。 今では外国語学部文化ウィークと進化を遂げ、毎年恒例の行事となっています。

私たちが創った文化が引き継がれていること、非常に嬉しく思います。
授業で印象に残っているのは、入学直後の「日本人であることを証明せよ」という問い。
当時何と答えたか覚えていませんが、今となって非常に重要なテーマだったなと気づかされることが非常に多くあります。

非常に濃密な4年間を過ごすことができました。ありがとうございました。

今の仕事について
卒業後、新卒で入社したITの会社は1年で辞め、今の会社に転職しました。 何か人に喜んでもらえるものであればと思い、何社か内定を頂いた中で、ITの会社に入りました。しかし、上司が隣で爆睡してるような職場で、何のための仕事か見いだせなくなり、転職しました。

現在は2010年に日本上陸したプレッツェルチェーン店の店長を務めています。 仕事の内容は、プレッツェルの製造から接客、売上管理や人材育成など、お店の総括的な運営を行っています。 昔から接客が好きだったので、とりあえず好きなことをやってみようと入社。しかし、今では人材育成に情熱を注いでいます。 「人に喜ばれる自分を作り続けること」が仕事であると考え、スタッフがそれを実現するために様々なサポートをしています。

サービス業なので大変なことも多々ありますが、スタッフが自分らしいおもてなしをできるよう成長し、お客様に喜んでいただけることは、私にとっても喜びです。

後輩のみなさんへ
先に書いた「日本人であることを証明せよ」その問いに皆さんだったらどう答えますか。
当時何と答えたか覚えていませんが、今だと、日本は縁の国。地縁、血縁、国縁、それから他世の縁。 そのひとつひとつの意味を理解し、大切にすることができることが日本人であることの証明だと私は思います。

2011年3月11日の大震災は、「縁」という言葉を日本人の心に蘇らせてくれたと感じます。
震災後、みんなが思ったのは同じことでした。自分たちにとって、最も大事なものは、濃密な人間関係であること。縁を育み、情を深め合う社会を私たちは心から望んでいると感じます。
助け合い、思い合い、譲り合う心。そんな日本的な社会の中にこそ、世界の規範があるとさえ、私は考えます。

私たちは、自分たちの文化を劣ったものと認識し、海外へ目を向けがちです。
しかし、世界は日本の時代に向かおうとしています。
今こそ、私たちの文化を再認識し、発信していくときです。ぜひ私たちの素晴らしい文化により多く触れていただきたいなと思っています。