タスマニアでの5週間
英英語英文学科2年 小林 由依さん

私がこのタスマニアへのスタディーツアーへ参加した主な目的は、自分を英語だけの生活に放り込み、どこまで成長できるか、自分に挑戦することでした。私は今までに2回のホームステイを経験していましたが、どちらも2週間足らずのもので、このツアーは私にとって新鮮なことばかりでした。
私のステイ先は、一人暮らしをする60歳の女性の家でした。彼女はとても親切で面白い人でしたが、最初に話して思ったことは英語の聞き取りにくさでした。これまであまりオーストラリアなまりの英語に触れたことがなく、また若い先生等とは話し方がまるで違うので、最初は戸惑いました。しかし彼女は私のためにゆっくり話してくれたり、わかりやすく説明しなおしてくれたりととても親切にしてくれました。
学校ではレベルごとにクラスが分けられ、私のクラスは世界各国から来た生徒がたくさんいました。しかし最初の授業で私は落胆しました。他の生徒が積極的に自分の意見を発言している中でほとんどの日本人の生徒は黙ったままだったからです。日本の大学ではあまり自分から発言する生徒は見られず、なじみがないので黙ったままだったのだと思います。しかし私はもともとシャイでしたが、こうして黙ってばかりの日本人でいることに嫌気がさし、積極的に授業に参加し、発言することを心がけました。他の国の生徒と喋ってみるとみんな英語力は自分と同じくらいで、ネイティブスピーカーと話すよりもとても話しやすく感じました。

大学で授業をする中で感じたことは、すべての生徒が必死になって授業に参加していることです。日本の大学ではしばしば、授業中に居眠りをしたり、携帯電話をいじっている姿が見られます。またそれが当然だと私も思っていました。しかしタスマニア大学での授業ではそんなことはめったになく、どの生徒も真面目に、かつ楽しんで授業を受けていたのが印象的でした。クラス全体の雰囲気がとてもよく、みんな英語を必死に勉強していたので、英語を学習するにはとてもいいクラスだったと思います。
タスマニアに滞在している中で、私にとって大きかった出来事は、現地の友達ができたことです。彼は私と同い年でしたが、とても早口でネイティブなしゃべり方でした。私はそれまで自分の英語力(特にスピーキング)に自信がなかったので、話しかけられた時はとても焦りました。しかし自分からたくさん話そうと試みたところ、意外にスムーズに会話ができたことに驚きました。彼と友達になったことで英語を喋る機会が更に増えたので、苦手だったスピーキングにも自信がついた気がしました。
同い年だけれど、人種も言語も何もかも違う彼と会話しているときは、とても不思議な感覚でした。考え方も違うので、新しいことをたくさん知れた気がします。でもやはり言語は違えども、共通の趣味があったりしたので常に話題は尽きませんでした。
そこで思ったことは英語を話せるということの便利さです。英語は、世界中で友達を作ったり知識を得るにはとても便利な道具だとスタディーツアー中の様々な経験を通じて感じました。この期間で様々な人と話して、自分自身の世界や視野が存分に広がった気がします。そういった意味でこのツアーに参加したことは、私の中でかなり大きい出来事でした。やっとタスマニアでの生活に慣れ、会話もスムーズにできるようになったところで帰らなくてはならなかったのは少し寂しかったですが、とてもいい経験になりました。今思い返すと、たった5週間だったけれど、毎日充実していたと感じます。これからまた英語を上達させて、いつかタスマニアでお世話になった人たちに恩返しができたら、と思います。