SEA Program

タスマニアでの学び・経験

英語英文学科2年 下宮 千津加さん

今回のSEAプログラムでの5週間の現地研修を通して、大学内外の両方においてたくさんの貴重な体験をすることができた。

まず、大学での授業はとても新鮮で興味深いものだった。例えば、手紙やメールにおける相手に合わせた文章(informal / formal)の書き方についてのルールや、時制の使い分け方、リスニング・リーディングのやり方など、日本ではあまり教わることが出来ないような、または日本で教わることが出来ることよりもさらに踏み込んだ知識を得ることができ、とても面白い授業内容だった。特に"時制"については、それぞれの時制が含む意味合いの微妙な違いについて分かりやすく学ぶことが出来た。初めて知ることも多々あり、そのおかげで"時制"に対する理解を深めることが出来たし、苦手意識が少し和らいだ。また、informal / formalな文章の書き方についても初めて学ぶことばかりだったが、英語を学ぶうえで礼儀について知っておくことはとても重要なことだと思うので、とてもためになった。他にも色々と現地の授業ならではの実用的な知識を得ることができ、とても充実した授業内容だった。

また、私の居たクラスは日本以外の国から来ている人も数人居て、年齢もある程度バラバラだったためか色々な価値観や考え方に触れる機会に恵まれ、クラスの人からよい刺激を受けることが出来た。しかし、正直、はじめの2週間程は自分の意見を述べることも、他国からの留学生の独特な訛りのある英語を聞き取るのにも大変な苦労を必要とした。しかし、実際に「英語」が唯一のコミュニケーションの手段である場所に行き、自分のスピーキング力・表現力の無さを思い知り、他国の人の訛りを体験したことで"英語を学ぶ"ということの本当の意味を改めて考えさせられたように思う。"英語"をコミュニケーションの手段とするなら、自分の意見や考えを明確に表現できる英語力を身につけなければならないのと同時に、相手の英語の特徴を理解することも大切なのだと感じた。

授業以外でもとても楽しい時間を過ごすことが出来た。特にオプショナル・ツアーでは、タスマニアの雄大な自然を体感することができ、5週間の研修の間でも特に印象に残っている。私は2つのツアーに参加することが出来た。1つは、タスマニアの歴史には欠かせないポート・アーサーに行くことが出来るツアーで、メインのポート・アーサー以外にもタスマニア半島の名所とタスマニアンデビル保護公園に行くことが出来た。タスマニア半島の名所としてはDevil's KitchenやTasman Archなどが挙げられるが、どれも侵食などの現象によって自然に形成されたもので、自然の力を直に感じることが出来た。その後行った保護公園ではタスマニアンデビルだけでなく、ワラビーやカンガルーなどのオーストラリア特有の動物を見ることが出来たし、場所によっては自由に動物たちに触れることができ、とても貴重な体験をすることが出来た。

メインのポート・アーサーは、実際、森林火災によって大部分が焼失してしまっているため、いくつかの建物は外壁しか残っていなかった。しかし、再建された建物では当時の牢獄内の様子を再現していたり囚人たちの情報があったりと、思ったより見所があったし、牢獄独特の重苦しい雰囲気を感じることが出来た。また、ポート・アーサーとタスマニア半島についてはガイドの方から興味深い歴史を聞くことができ、面白かった。

もう1つのブルーニー・アイランドのツアーでは、3時間のクルージングを楽しむことが出来た。そのクルージングでは鯨やアザラシを近くで見ることが出来た。鯨は頭部しか見ることは出来なかったが、4~5匹居て声も聞くことができ、迫力満点だった。アザラシは、岩場に何頭も居てあまりの数に少し気持ち悪い感じもしたが、野生のアザラシを肉眼で見ることが出来て嬉しかった。3時間ものクルージングで途中から船酔いに苦しむことになったが、それでもとても楽しい経験となった。

タスマニアでの5週間はとても面白かった。授業で自分の英語力の無さに落ち込むことも多々あったが、実際に英語圏に行き、そこでネイティブの人や他国からの留学生と話してみることで新たな価値観や考え・視点を得ることができ、いい意味で刺激的な経験をすることが出来た。私は自分の英語に自信が無くてSEAに参加するまでは海外に行くことを避けてきたが、今回タスマニアに行ってみて楽しいことはもちろん、言葉が出てこないもどかしさなども経験できたことは、これからも英語を学習していくうえでモチベーションを上げていくためにいい経験になったと思うので、SEAに参加して本当に良かったと思う。