2014年度(第17回)レポート ―中国・大連

 第17回海外企業見学(中国・大連)が2014年9月14日(日)~9月18日(木)の日程で実施されました。今回の参加者は合計20名。台湾、上海を経由し、大連現地に合流した学生もいれば、海外旅行初めての学生や工学部の1年生が参加したユニークな混成チームで、訪問した企業も従業員3000名を抱える大企業から従業員30名の中小企業までのさまざまな会社を見学することができました。また、神奈川県の大連事務所に当たる神奈川産業振興センターも訪問することができました。企業の紹介やアレンジなどでは、神奈川大学を卒業したOB、OGの協力を得ました。感謝申しあげます。PM2.5が騒がれるなか見事な秋晴れに恵まれ、毎日青い空を眺めることができたことも不思議な経験でした。

引率者 山口建治、 孫 安石

日程

9月14日(日)

大連へ出発、大連到着後OB、OGの歓迎会

9月15日(月)

大連オーパック訪問、ジャスタイム国際物流訪問

9月16日(火)

大連ALPS電気訪問、三井森包装有限会社訪問

9月17日(水)

神奈川県産業振興センター大連代表処、大連ソフトウェアパーク(DLSP)訪問

9月18日(木)

帰国 成田着

参加学生の報告書から(抜粋)

【日本文化との相違点】

 企業見学に参加する以前は、「日本の外で働く」ということに特別な感覚がありましたが、実際目にしてみると、言語と文化の違いのほかでは、仕事上あまり変わらないという印象でした。長期の滞在ではないものの、中国の人のはっきりした性格も、青空がめったに見えないことも、街中の迫力も、日本とは違う文化の一つと認識し、受け入れ、現地の人々と交流することで、このような経験を現代の若い人たちがもっと体験する機会が増えたら、自分の生まれる前のことは少しも気にせず、関係はさらによくなると思いました。見たことのない世界を知ることを、自身の思い込みで「怖い」と想像するのか、「興味」が勝るのかはその人次第ではありますが、たとえ怖くても、踏み出して自分から「覗いてみる」人にしか見られない光景が、そこには広がっていると思います。

【女性の社会進出について(日中の相違)】

 今回の企業見学では、日系企業を中心に様々な業種の企業を見学させていただきました。中でも一番印象に残ったのは、ALPSという企業の女性の採用率です。この会社では、スタッフの7割以上が女性、また幹部も5割以上とのことで、女性を多く採用する理由は、女性は細やかさ、丁寧さに長けているためとのことでした、私はこれを聞いたとき、衝撃を受けました。日本は、世界と比べて女性の社会進出に著しく劣っています。結婚、出産を機にキャリアを諦めてしまう人がほとんどです。私自身、これから就活が始まるが、心のどこかでは、「女性だから」と諦めている部分がありました。(中略)さらに、大連ソフトウェアパークでも、大連で働く日本人の女性からお話を聞くことができました。私から見て、彼女は、本当に憧れる存在でした。なぜなら、仕事をすることがとても楽しそうで、いきいきしていたからです。「女性だから」と考えがちな日本人ではなく、「女性だからできること」を見つけ、活躍している女性の一人でした。(中略)日本人は、「見えない赤ちゃん」を抱いて就活するといいます。まだ、決まってもいない未来にセーブをかけ、諦めてしまうのです。しかし、今回参加してみて、私は、全力で自分のキャリアと夢を追いかけたと心から思えました。

【大連企業見学で学んだこと】

 今回、私が大連企業見学に参加した理由は違った視点で中国や日本の経済について考えることや新しい概念、価値観を発見または身につけたいと思ったからです。実際、今回の企業見学で企業側の説明やプレゼン等のことで私はいろんなことを吸収したと思います。違った視点からの考えや発想を身につけ、それらのことプラス行動力、自己主張や表現の大切さを学びました。次回、またこのような企画があれば、参加したいと思いました。

【刺激的で充実した五日間】

 この大連企業見学のプログラムを知った時、私はすぐに参加を決めた。単に夏休みを利用して中国に行きたかったというのも理由の一つではあったが、何より、中国にある日本企業を見学出来るというのは貴重な体験であり興味深いと感じたからである。初めて訪れる大連ということで出発の日を首を長くして待っていたのだが、それと同時にいささか不安も抱いていた。それは、大学に入ってから学び始めた中国語が現地の人にどれだけ通じるか、また現地の人が話すことを聞き取れるのかということだった。不安を抱えながら成田空港から飛行機に乗ること約三時間、大連に着いた。その日は参加者の親睦を深めるため、また大連で働く神奈川大学の卒業生、宮陵会の方々のお話を伺うため水餃子のおいしいレストランで食事をした。私たちが調理風景をもの珍しそうに見ていると、調理をしているコックさんの一人が気さくに挨拶をしてきた。日本人だということを伝えると、彼は相変わらずにこにこしながら話をしてくれた。彼の話のすべてが聞き取れたわけではないが彼だけではなく、その後大連で会話をした中国人皆が日本人と分かるとゆっくりと、そして時折ジェスチャーを交えながら会話をしてくれた。そのため、私が出発前に抱いていた不安は嘘のように消えてしまった。(中略)今回の企業見学は私にとってまたとない経験となったのは言うまでもない。自らの目で実に多くのものを見て感じることが出来た。日本では味わうことの出来ない刺激的で充実した五日間となった。

【大連企業見学に参加して】

 今回、このプログラムでお会いし色々とお話を聞かせて頂いた中国の方々は、とても貪欲でした。知識に対して、経験に対して、貪欲に全てを吸収してやろう、学習してやろう、もっと高みへ上ってやろう、という意思を抱き、勉強されてきた方ばかりでした。そんな皆さんと、大学生活を送っている自分とを比べたときに、学習に対する姿勢の圧倒的な違いが感じられて、とても恥ずかしくなりました。生まれ育った環境に甘んじることなく、怠惰に過ごす自分を捨てて、効率や意味や理由などに依存し、その場から動かないでいる自分から、まずは一生懸命取り組んでみる自分に成長したいと決意しました。