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国際文化交流学科 国際文化交流専門演習IAで施設見学を実施しました

5月21日(日) 横浜関帝廟

 横浜中華街の中にある関帝廟は観光スポットとしては大変有名で、観光がてら目にしたことがある人もいると思います。ただ、清めの線香を購入することで廟の内部に入って参拝できることは意外と知られていません。そこで本演習を履修する学生の中から希望者を募り、参拝を行ってきました。

 関帝廟は道教の寺院だけあって、私たちになじみ深い寺社仏閣での参拝とは作法が違ってきます。またおみくじも日本のものとは大きく異なります。人によっては神様におみくじをひかないよう止められることもあります。学生たちは廟内の係員さんに教わりつつこれらを実際に体験し、日本とは大きくことなる中国の文化に強い関心を抱くきっかけとなりました。

5月27日(土) 横浜ハリストス正教会 

 日本ではキリスト教の宗派としてカトリックやプロテスタントなどが知られていますが、カトリックと同様に古い歴史を持つ宗派として正教会があります。日本では日本正教会として各地に教会を構えていますが、神奈川大学からさほど離れていない場所にも横浜ハリストス正教会があります。

当日は学生と共に教会を見学しましたが、学生たちはまずその特徴的な形をする十字架や聖堂などの外観に強い印象を受け、また聖堂内に設けられたイコノスタシス(イコンで覆われた壁)や装飾物にも目を奪われました。これらについてグリゴリイ・水野宏神父より詳細なご説明をいただいたことに加え、学生から個別に寄せられる質問にも丁寧に対応していただいたこともあって、参加学生はキリスト教世界に対するイメージをより充実したものにすることができました。

 

5月28日(日) 遊就館 

 東京の九段下にある靖国神社、その境内には遊就館という施設が併設されています。明治時代以降の戦争において朝廷側の軍人の戦没者や軍事に関連資料を展示する施設であり、学生はこれらの展示物を観覧してきました。

観覧に先だって学生は教員より遊就館の展示に見られる歴史観やそうした歴史観に対するアジア諸国の反応についてレクチャーを受けており、それらを踏まえた上で学生は様々な展示を熱心に観覧していました。これらの経験は学生たちにとって各国の立場に対する理解を深め、国際関係に対する冷静な目を養う良い機会になったのではないかと思われます。

6月3日(土) 東京ジャーミィ

 東京の代々木上原にある東京ジャーミィは、日本最大規模、かつもっとも美しいモスクとして訪れた人を魅了します。当日は、1時間半ほどのガイド付き見学ツアーに参加しました。暑い日ではありましたが、全員が肌を露出しない格好で参加し、女子学生はスカーフで髪を覆いました。

 2階の礼拝場では礼拝の様子を見学させていただきました。礼拝を呼びかける大音量の生の歌声(アザーン)に学生たちは神妙な面持ちで聞き入っていました。当日は日本人男性の入信式に遭遇するという非常に貴重な機会を得ました。イスラームというと、ISなどとかくネガティブなイメージが強いですが、さまざまな国籍、年代の人びとが地位や立場を超えて一列に並んで礼拝をしたり、仲間の入信を心から喜び抱き合ったりする姿を目の当たりにし、学生はイスラームの平等主義的で同胞愛に満ちた一面を感じることができたと思います。

7月1日(土) 印刷博物館

 小石川にある印刷博物館は、世界規模の総合印刷会社である凸版(とっぱん)印刷が2000年に設立した、コミュニケーション・メディアとしての印刷文化についての博物館です。おもに印刷の技術や文化に関わる物品を展示していますが、特に印刷の歴史に力を入れた展示になっています。人類の歴史における文字の発生やその複製技術の発展、版画などの図版・絵画の複製の歴史、ヨーロッパにおける活版印刷の始まりとその普及による近代社会の到来、日本の海外交流と印刷技術の展開、など盛り沢山です。

 当日は14時に集合し、14時15分から博物館の方による展示物説明ツアー、15時からはVRシアターを鑑賞、その後しばらく自由見学をした後、16時から併設の印刷工房で40分ほどにわたって活版印刷の印刷体験と企画も盛り沢山でした。特に印刷体験は、学生たちもエプロンをつけ、2人ないし3人一組になって組み版に使うステッキという箱にアルファベットの金属活字を組んでいき、最後は手動で印刷をするという貴重な時間でした。25人弱の学生のために、講師の先生の他に5人ほどのスタッフがついて大変手厚いサポートでした。印刷した紙片は栞としてお土産として持ち帰ることが出来、学生たちも大変楽しそうにしていました。